犬用コームの選び方と使い方｜トリミングのコツを解説

愛犬のケアは毎日行うべき大切な習慣です。特に、ブラッシングは被毛の健康を保つだけでなく、皮膚のトラブルを早期に発見するためにも欠かせません。しかし、ただブラッシングするだけでは、絡まった毛や毛玉を完璧に取り除くのは難しいかもしれません。そこで活躍するのが、犬用コームです。犬のトリミングコームにはプロ仕様のものから、トリミングサロンでもおすすめされるような多種多様な種類があります。一方で、近年では100均でも犬用コームが手に入ると耳にする機会も増えてきました。今回は、そんな数ある犬用コームの選び方から、犬の目やにケアなどを含めた犬用コームの使い方まで、幅広くご紹介していきます。この記事を読み進めていくことで、トリミングが苦手な愛犬も快適にお手入れをさせてくれるようになるかもしれません。

ブラッシングとコームの使い分けとそれぞれの役割
犬の毛質や目的ごとのコームの選び方
自宅でできるトリミングの具体的な方法
トリミングコームを正しく使用する上での注意点

なぜ犬にコームを使うべき？そのメリットを解説
失敗しない犬のコームの選び方

なぜ犬にコームを使うべき？そのメリットを解説

ブラッシングとコームの役割の違い
用途に合わせたトリミングコームの種類
トリミングコームはプロの道具？
犬の目やにケアにはコームが便利
適切なコームの選び方と使い方
トリミングコームのおすすめを紹介
自宅でできる犬のトリミングコームの使い方

ブラッシングとコームの役割の違い

犬のお手入れには、ブラシやコームといったさまざまな道具を使用します。多くの飼い主さんはブラシとコームを同じものだと認識しがちですが、これらは目的が異なります。ブラシの主な役割は、被毛の表面にあるホコリや抜け毛を取り除くこと、そして皮膚に適度な刺激を与えて血行を促進することです。特に長毛種の犬にとって、毎日のブラッシングは毛玉の予防に欠かせない日課と言えます。

一方で、コームの主な役割は、ブラシでは取り除ききれない毛の奥深くにある毛玉や、絡まった被毛を丁寧にほどくことです。細かな歯を持つコームは、特に耳の後ろや脇の下、内股など、毛玉ができやすいデリケートな部分のお手入れに適しています。また、トリミングの際には、コームで毛並みを整えてからハサミやバリカンを入れることで、仕上がりが格段にきれいに仕上がります。このように、ブラシとコームを使い分けることで、愛犬の被毛を健康に保ち、より美しい状態を維持できるのです。

用途に合わせたトリミングコームの種類

トリミングコームには、さまざまな種類が存在し、それぞれ異なる用途があります。代表的なものをいくつかご紹介しましょう。まず、目が粗い部分と細かい部分に分かれている両目櫛は、全身のブラッシングから細部の毛玉取りまで幅広く使用できます。目が粗い方で大まかな毛並みを整え、目が細かい方でより丁寧なケアを行うのが一般的です。次に、特に毛玉の除去に特化したピンブラシタイプは、ピンの先端が丸くなっていて、犬の皮膚を傷つけにくい工夫が施されています。

コームの種類と特徴

種類	特徴	適した用途
両目櫛	粗い目と細かい目がある	全身のブラッシング、細部のケア
ピンブラシタイプ	ピンが植え込まれている	毛玉の除去、長毛種のブラッシング
ノミ取りコーム	歯の間隔が非常に狭い	ノミやダニ、卵の除去
テリアコーム	硬い被毛を抜くためのコーム	ワイヤーフォックステリアなどの硬い毛の犬種

これらの種類を適切に使い分けることで、愛犬の被毛をより効果的にケアすることが可能になります。例えば、普段のブラッシングには両目櫛を使い、ノミが気になる時期にはノミ取りコームを使用するといった使い分けが考えられます。

トリミングコームはプロの道具？

トリミングコームは、確かにトリマーやプロのハンドラーが愛用する道具の一つです。しかし、だからといって一般の飼い主さんが使うことが難しいわけではありません。むしろ、トリミングコームは自宅で愛犬のお手入れをする上で非常に役立つアイテムです。プロ仕様のコームは、その耐久性や機能性に優れているため、長く愛用できるというメリットがあります。

もちろん、トリミングコームの中には、初心者には扱いにくい特殊なものも存在します。たとえば、テリア犬種のような硬い毛を抜くためのテリアコームなどが該当します。しかし、多くの一般的なコームは、使い方さえ把握すれば誰でも簡単に使うことができます。大切なのは、愛犬の毛質や目的に合ったコームを選ぶことです。プロのトリマーがどのような道具を使っているのかを知ることは、ご自宅でのケアをより質の高いものにするための参考になると言えます。

犬の目やにケアにはコームが便利

愛犬の顔周りは、目やにや涙やけで汚れやすい場所です。特に、白い被毛の犬種は汚れが目立ちやすく、定期的なケアが不可欠です。目やにをそのまま放置しておくと、被毛が固まってしまい、さらには皮膚の炎症を引き起こす原因にもなりかねません。そこで活躍するのが、コームです。細かな歯を持つコームは、目の周りのデリケートな部分に溜まった目やにを優しく取り除くことができます。

目やにケアの手順

濡らしたコットンで、目の周りを優しく拭いて、汚れを柔らかくする。
目の下の毛をコームで丁寧にとかし、固まった目やにを少しずつ取り除く。
最後に、乾いたコットンやガーゼで、目の周りを再度きれいに拭く。

この際、犬の目を傷つけないよう、必ずコームの先端が丸くなっているものを選び、優しく、慎重に行うことが大切です。特に、犬が嫌がる場合は無理に行わず、少しずつ慣れさせていくことが成功の鍵となります。

適切なコームの選び方と使い方

犬の被毛を健康に保つためには、適切なコーム選びが非常に重要です。正しいコームを選ぶことで、ブラッシング効果が高まるだけでなく、犬への負担も軽減できます。それでは、どのような基準でコームを選び、どのように使用すれば良いのでしょうか。

コームを選ぶ際には、まず愛犬の毛質を考慮に入れることが大切です。長毛種であれば歯の長いコーム、短毛種であれば歯の短いコームを選ぶのが基本です。また、ピンの素材も確認しましょう。一般的に、ステンレス製のものは錆びにくく、長持ちします。さらに、ピンの先端が丸くなっているものは、皮膚を傷つけにくいので安心です。

次に、コームの使い方について解説します。ブラッシングは、毛並みに沿って優しく行うのが基本です。毛玉がある場合は、無理に引っ張らず、コームの歯先を少しずつ入れながら丁寧にほぐしていくように心がけてください。特に毛玉は、犬が痛みを感じやすいため、時間をかけて少しずつほぐすことが大切です。嫌がる場合は、ご褒美やおやつを与えながら、少しずつ慣れさせていく工夫も必要になってきます。

トリミングコームのおすすめを紹介

多くの飼い主さんが、どのトリミングコームを選べば良いか迷うことでしょう。ここでは、初心者の方でも扱いやすく、おすすめできるトリミングコームをいくつかご紹介します。

まず、両目櫛は、どんな犬種でも使える汎用性の高さから、一つ持っておいて損はありません。粗い歯で全体の毛並みを整え、細かい歯で顔周りや足先などの細かい部分をケアできます。次に、ピンブラシタイプは、絡みやすい長毛種のブラッシングに最適です。ピンが毛の奥まで届きやすく、毛玉を効率的にほぐすことができます。

具体的な商品名として、スリッカーブラシとコームがセットになったタイプもおすすめです。一つのセットでブラッシングから仕上げまで行えるため、非常に便利です。また、犬用コームプロ仕様のものは、耐久性が高く、使い心地も優れているため、長く愛用したい方には特におすすめできます。

自宅でできる犬のトリミングコームの使い方

自宅で愛犬をトリミングする際、コームを正しく使うことで、プロのような仕上がりを目指すことができます。以下に、自宅でコームを使う際の具体的なステップをご紹介します。

コームを使いこなすステップ

ブラッシングで準備：まず、スリッカーブラシなどを使って、全身の毛を大まかにブラッシングし、大きな毛玉や抜け毛を取り除いてください。この段階で、絡まった毛をできるだけほぐしておくことが、コームを使う際の負担を減らします。
コームで仕上げ：ブラッシングが終わったら、コームを使って細部を丁寧に整えます。特に、耳の後ろや内股、脇の下など、毛玉ができやすい場所は念入りにコームをかけましょう。コームは、毛の流れに沿って、根元から毛先に向かって優しく動かしてください。
バリカンやハサミと併用：毛を刈る部分があれば、コームで毛並みをまっすぐに整えてからバリカンやハサミを使用しましょう。コームで毛をすくい上げるようにして使うと、均一な長さにカットしやすくなります。

このように、コームは単独で使うだけでなく、他の道具と組み合わせて使うことで、より効果的なトリミングが可能になります。

失敗しない犬のコームの選び方

プロ仕様の犬コームとどう違う？
100均の犬コームでも大丈夫？
コームと他の道具を使い分けるコツ
コームで愛犬をブラッシングする頻度
犬のトリミングを自宅で行う際の注意点
あなたの愛犬に合う犬コームを見つけよう

プロ仕様の犬コームとどう違う？

犬用コームのプロ仕様のものは、一般的に耐久性、機能性、そして使いやすさにおいて優れているとされています。プロ仕様のコームは、トリマーが長時間の作業に耐えられるよう、素材や構造が工夫されていることが多いです。例えば、ステンレス製のコームは錆びにくく、長期間にわたって使用できます。また、ピンの先端が丁寧に加工されており、犬の皮膚を傷つけにくいように配慮されています。

一方で、市販されている一般的なコームは、手軽に購入できる反面、素材がプラスチック製であったり、耐久性が劣る場合があります。しかし、普段のお手入れに使う分には十分な品質を持っている商品も多く存在します。大切なのは、プロ仕様だから良い、安価なコームだから悪いという単純な判断ではなく、愛犬の被毛や目的に合ったものを選ぶことです。予算や用途に合わせて、最適なコームを見つけることが大切です。

100均の犬コームでも大丈夫？

近年の100円ショップでは、ペット用品の品揃えが非常に豊富になってきました。中には犬用コームも販売されており、手軽に手に入れられることから「これで十分ではないか」と考える方もいるでしょう。

結論から言えば、100均の犬用コームでも、用途や犬種によっては十分に役割を果たせる場合があります。例えば、短毛種の犬の簡単な抜け毛取りや、顔周りのケアであれば、100均のコームでも対応できるかもしれません。

しかし、注意点もあります。100均のコームは、ピンの先端が鋭利なままになっていることがあり、犬の皮膚を傷つけてしまうリスクがあるのです。また、耐久性が低いことも多く、すぐに折れてしまったり、曲がってしまったりする可能性も考えられます。そのため、本格的なトリミングや、毛玉の除去などには不向きと言えるでしょう。これらの理由から、特に長毛種や被毛が絡みやすい犬種には、より品質の良いコームを選ぶことをおすすめします。

コームと他の道具を使い分けるコツ

犬の被毛ケアには、コーム以外にもスリッカーブラシや獣毛ブラシなど、さまざまな道具が存在します。これらの道具を適切に使い分けることで、より効率的で負担の少ないお手入れが実現できます。

コームは、主に毛玉をほどいたり、毛並みを整えたりする際に使用します。そのため、ブラッシングの仕上げや、毛玉ができやすい部分の集中的なケアに役立ちます。一方で、スリッカーブラシは、抜け毛の除去やもつれの解消に適しています。特に、ダブルコートの犬種には、被毛の奥の抜け毛を取り除くためにスリッカーブラシが欠かせません。獣毛ブラシは、被毛にツヤを出す目的で使用されます。ブラッシングの最後に使うことで、より美しい仕上がりになります。

このように、目的によって道具を使い分けることが大切です。一般的には、まずスリッカーブラシで全体の抜け毛を取り、次にコームで毛玉や絡まった毛をほぐし、最後に獣毛ブラシで被毛にツヤを出す、といった流れでお手入れを行うと良いでしょう。

コームで愛犬をブラッシングする頻度

愛犬のブラッシング頻度は、その犬種の被毛の長さや毛質によって異なります。一般的に、長毛種は毎日、短毛種は週に2〜3回程度が目安とされています。コームの使用頻度も、基本的にはブラッシングの頻度に合わせると良いでしょう。

ただし、毛玉ができやすい犬種や、換毛期には、毎日コームを使用することをおすすめします。特に、雨の日のお散歩後やシャンプー後など、被毛が濡れたままになっていると毛玉ができやすくなります。そうした場合には、コームを使って丁寧に毛をほぐしてあげてください。また、ブラッシングを嫌がる愛犬の場合、無理に行うとストレスになってしまう可能性があります。そのため、最初は短時間から始め、少しずつ時間を延ばしていく工夫が必要です。

犬のトリミングを自宅で行う際の注意点

自宅で愛犬のトリミングを行うことは、愛犬とのコミュニケーションを深める良い機会です。しかし、安全に、そしてきれいに仕上げるためにはいくつかの注意点があります。

最も大切なのは、犬が嫌がることをしないことです。特に、コームを無理に引っ張ったり、ハサミやバリカンで皮膚を傷つけたりしないよう、細心の注意を払ってください。また、トリミングの際には、犬が落ち着いていられるような環境を整えることが大切です。静かな場所を選んだり、おやつを与えながら行ったりすることで、犬がリラックスしてくれます。

さらに、ハサミやバリカンを使用する際は、皮膚に密着させすぎないように注意が必要です。ハサミは先端が丸いペット用のものを使用し、皮膚に対して平行に入れるように心がけましょう。バリカンは、刃が直接皮膚に触れないように、アタッチメントを付けて使用することをおすすめします。